野付半島の懐に広がる野付湾には干潟が形成されており、塩湿地帯には甲殻類、貝類、魚類などが多く生息し、春と秋には2万羽を超す渡り鳥の重要な中継地ともなっています。ここで行われている北海シマエビ漁には明治時代から現在まで帆打瀬舟が使われており、海霧に霞む海上に蜃気楼のように揺らめく三角帆をもった舟影は、夏と秋の野付湾の風物詩として全国的にも有名になっています。
この漁法は、北海シマエビの住処となる藻をスクリューで傷つけずに保全することができるため、藻場を守ることがシマエビの資源を守ることにつながっています。漁組では、低気圧により被害を受けた藻場を回復する取り組みも進めながら帆打瀬舟による漁法を守っており、歴史ある伝統漁法がおりなす風景は、地域を象徴する景観として観光面でも大きな役割を果たしています。。
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