食料の自給率が低い日本で、安全な食料を安定して供給するには、穀物の長期保管が大きな課題としてありました。北海道でも有数の豪雪地帯に数えられる沼田町ですが、その雪を新しいエネルギー源として活用できないかと考えました。そして、1996年に建設した「沼田町米穀低温貯留乾燥調製施設」で雪の冷気を利用して籾の貯蔵をしたことをきっかけに、雪の活用が一気に高まりました。
沼田町米穀低温貯留乾燥調製施設(スノークールライスファクトリー)
雪の冷気を活用して、クリーンエネルギーによる農産物の保存や、クリーン農業に取り組んでいます。コメの貯蔵では、籾の状態で庫内5℃、湿度70%という理想的な環境で、翌年の夏まで新米と変わらぬ味を保ちます。花の地中冷房栽培、雪中抑制栽培などは、すでに栽培農家で実用化されています。また、沼田支所が運営する「雪の科学館」は、自家用食材が新鮮な状態で翌夏まで貯蔵できるようになっています。ここは町民に開放されており、新たな交流の場にもなっています。
貯蔵庫の雪入れ作業中。貯雪量は1500トンにもなる
「雪中米」と「雪なごり」
沼田町で生産される約20万俵のコメのうち、約8万俵は雪の冷気で貯蔵し、「雪中米」として道内外で消費されています。「雪中米」は、籾のまま保存されており、注文を受けるまで籾殻をつけておいしさを保ちます。また、沼田産のコメを使った地酒「雪なごり」は雪の中で醸造され、まろやかな味わいが特徴。雪中貯蔵のため、生酒のままで鮮度を保つことができます。
●データ
代表者:岡田靜夫さん/設立:2003年/会員:2,766名
所在地:雨竜郡秩父別町1298番地の8
電話:0164-33-2011/FAX:0164-33-3311
連絡先:雨竜郡沼田町北1条4丁目2番2号 北いぶき農協営農販売事業本部
電話:0164-35-2221/FAX:0164-35-2598
●リンク
.沼田町
http://www.town.numata.hokkaido.jp/
・JAきたそらち
http://www.ja-kitasorachi.com/