地域特産物部門 銀賞
北いぶき農業協同組合(沼田支所)
長い間「やっかいもの」とされていた冬季間の雪を、一年を通して有効活用し、地元特産の質のよいコメにさらに高い付加価値をつけ、外食産業などを中心に「雪中米」の地位を確立した点、米を使った特産品、地酒「雪なごり」の開発などを高く評価し、銀賞といたします。
道内でも有数の豪雪地帯である沼田町は、道内有数の米どころでもあります。平成8年度に地域農業基盤確立農業構造改善事業により、米殻低温貯留乾燥調整施設を新設するにあたり、クリーンエネルギーである雪をコメの貯蔵に利用することになりました。
雪利用について研究の第一人者である室蘭工業大学の媚山助教授などの協力を得て、国内で初めての施設が完成。ここで貯蔵した米を「雪中米」と名づけ、その貯蔵法をブランド化し市場での差別化を図りました。
雪を利用することで冷房費のランニングコストを軽減できるだけでなく、雪には空気を清浄化する働きがあり、コメの品質を高く保持できるメリットも実証されています。均一で安全な商品を通年供給できることから、産地指定の確立が高くなり、現在、コメの売れ残りはまったくありません。
平成12年4月から沼田産きらら397を100%使用した地酒「雪なごり」を販売し、雪中米のブランドを一層強化。年間約14000本を製造し、おもに町内の7店舗で販売しています。
こうした取り組みは、まさに雪国ならではの特徴を生かした特産品づくりであるとともに、他の豪雪農業地帯の見本ともなるすばらしい活動です。現在はコメだけでなく野菜の貯蔵などを試験的に実施し、さらに雪の利用を町づくりの需要なプロジェクトとしてさまざまな取り組みが進められていますが、今後いっそう利用の幅が広がることを期待します。
2004年12月
「わが村は美しく―北海道」運動 第2回コンクール表彰審査委員会
|