●はじまりは?
コメの生産調整や価格の下落で農家経営が厳しい中、岩内町の農家の人々は、特色ある作物を栽培し、新たな道を切り開こうと考えました。そこで着目したのが、アシタバという野菜です。栄養価が高く、多年草なので一度定植すれば3シーズンも収穫できること、加工品としての商品開発ができることに加え、本州産の出荷が少なくなる夏季に出荷が見込めることが大きな魅力でした。ただしアシタバは寒さに弱く、関東以北での生産は困難と言われていました。そこで1999年に「明日葉研究会」を発足させ、栽培の研究を始めました。
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ハウス内で育苗されている明日葉 |
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●おもな活動
アシタバは気候の温暖な土地で多く栽培され、北海道では寒さのため冬を越せないと言われていましたが、研究会では独自の栽培方法を模索し、越冬できる種子と発芽法を開発。12月中にビニールハウスに種をまき、4月下旬に畑に植えかえ、その後10〜12ヵ月で収穫します。大変なのはやはり冬で、会のメンバーが交代でハウス内の温度管理や散水をするなど、気の抜けない作業が続きます。1999年の3月には、ハウスが破れて雪が吹き込み、苗の8割が被害を受けるアクシデントもありました。しかし、チャレンジし続けた結果、2000年7月、ついに初出荷に成功。現在は生産が間に合わないほどの人気となっています。
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札幌パークホテル、第21回「さっぽろ青果の日」のイベントにて |
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