●はじまりは?
特別豪雪地帯に指定されている美唄市は、年間で8〜11メートルもの雪が積もります。また、町は道内の稲作作付け面積が第3位という稲作地帯でもあり、地元の農家の人はその雪を有効利用して農産物の生産を高め、新しい農産物加工品を作ろうと考えました。そこで1997年「美唄市自然エネルギー研究会」を設立し、雪で氷室(ひむろ)を作って農産物を貯えたり、漬物や味噌を作るなどの研究を行っています。
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氷室に使われた古い石蔵倉庫 |
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●おもな活動
研究会は、スタート時にはまず雪冷房マンションや個人住宅の雪冷房など、住民主体の雪利用を研究。その後、本格的に農業に活用するため、113平方メートルの石蔵倉庫に約50トンの雪をつめ込み、春から秋まで利用できる天然の冷蔵庫(氷室)を作りました。氷室は夏場でも低温(0〜4度)、高湿度(90〜99パーセント)の環境を保ち、電気冷蔵庫では実現できない優れた環境を作り出します。この氷室に生鮮野菜を入れると劣化速度を遅らせ、甘味や旨味を増やすなどの効果が上がることを証明。さらに研究会は氷室で地元産の大豆と「きらら397」を使用した味噌を開発。味噌は「手前みそ」と名づけられ、地元の主婦やJAびばいの方々も仕込み作業に参加しています。
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3月、庫内の約半分に雪を搬入して氷室として使用 |
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