選考理由


人の交流部門 銅賞
流氷あいすらんど共和国(紋別市)

 雪と流氷に閉ざされるオホーツクの長い冬を、市民が楽しみながら地域の活性化につながるイベントはないか。そんな思いをもつ若者たちが、厳しい気候風土を逆手にとって発想したのが、「流氷あいすらんど共和国」であった。
 従来から行われている「紋別流氷まつり」の会場の隣接地を借りて、地域の若者が毎晩仕事のあと、厳寒の中、天然氷でつくった氷のレストランやイグルー村、巨大迷路などを設営。またウェディングケーキを氷に置き換え、これにノコギリで入刀する「流氷結婚式」や、厳寒の野外バイキングである「オホーツクまるかじりパーティ」などのユニークな催しを企画・運営し、真冬の1ヶ月間を盛り上げている。
 参加している市民は、漁業、農業、商工関係者、公務員など多方面にわたる地元の有志で、彼らの“まちおこし”に対する熱意がそのエネルギー源になっているものと思われる。
 流氷あいすらんど共和国は、そうした市民のエネルギーと流氷の町・紋別という地域特性を最大限に生かした、北国ならではのイベントとして注目される。特に、このイベントが始まってから25年間、そのエネルギーの火を消すまいと、市民が必死にこのイベントを支え、長く継続させてきたことは高く評価するところである。
 こうしたなか最近は、流氷あいすらんど共和国建国当時には元気に活躍していた若者層が徐々に薄くなり、これまで蓄積してきた市民パワーはやや衰え気味だという。また、地球温暖化により流氷の接岸が少なくなったことや、寒さが弱まり天然氷が作りにくくなったことなど、このイベントの継続に当たっては厳しい現実も指摘されるが、そこはかつてのように、若い市民パワーを蘇らせ、しっかりと苦境を乗り越えていくことを期待したい。

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「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会