人の交流部門 金賞
国際トラクターBAMBA実行委員会(更別村)
「国際トラクターBAMBA」は、1戸当たりのトラクター所有4台という更別村農家の規模の大きさに着目し、「ばんば」をトラクターに置き換えた「国際レース」として始められたユニークな大会である。飛行機や自動車などの「乗物」は、趣味性・嗜好性が高く、多くの人の興味を引きつけるが、身近にある農業用トラクターに着目した実行委員会の発想は素晴らしく、大陸的な風情が漂い北海道らしさ・十勝らしさが感じられるイベントである。
イベントを企画・実行している「国際トラクターBAMBA実行委員会」は、当初、更別村や更別村商工会などが中心だったが、現在は農業、商業、行政など幅広い分野から160名が参加するまで広がっており、小さな町でも業種が違えば会わなかったり、同じ仕事をしていても付き合いがなかった人たちが、共通の目的を持つことによって一つにまとまり、イベントの開催により町が活性化するなど、 一連の活動全体が村の宝となっている。
実行委員会の活動は、組織だった活動というよりも、個々に判断し自主的に行われるところが大きいとのことであり、帯広市を中心とした協賛金集めのための企業訪問や参加農家の募集など、1年を通じた実行委員会活動を通じて委員会以外の方々との交流が広がっている。
一例をあげると、シストセンチュウの発生により、伝搬を危惧する方々が開催に反対したが、線虫の伝搬について勉強し農家への個別訪問を行う中で、農家の方々と認識が共有され、「更別の農業は村全体で守る」という意識が生まれるなど、実行委員会の取組により人の交流の輪が広がるとともに、地域の絆が深まっていることなどが高い評価を受けた。
実行委員会は、これまでにも農器具やタイヤメーカー、建設業者や商工会など、様々な共同体の参加を得て取組んでいるが、「乗物」に興味を持つ若者など、異なる分野とのつながりにより、例えば「トラクターのF1」として「トラクターBAMBA」そのものがブレークされる可能性もあり、引き続き活動を継続・発展させることにより、さらに大きな交流に飛躍されることを期待したい。
「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会
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