選考理由


景観部門 銀賞
万年環境保全会(音更町)

 長い間、隣接の鎮練・高倉と3地区共同で環境整備・祭り・運動会などの地域としての活動を継続してきている。環境整備のフィールドが広範囲に及ぶため、農地・水・環境保全向上対策を機に平成20年に万年環境保全会を設立し、これまでの活動を充実発展させている。以前には水田主体の地域であったため共同作業のまとまりなどは容易で確実なものがある。現在は農業者と一般住民との混住状況であるが、具体的な活動にはチラシの配布、FAXなどで連絡し、多くの住民の参加をうるようにしている。いま、草刈は年2回の実施であるが交通量の多い場所、長く地域に暮らす年長者の周辺が、誰ともなく自主的に行われるといういささか旧型の成熟地域社会状況が全体をゆるやかに、そして着実に誘導しているともいえよう。
 1970年代に入り水田から畑作へ転換したが、それ以前から日常的作業であった用排水路の整備や町助成の道路沿いの花植えなどは、習慣的に排水路の草刈、道路脇の花植、植樹などにも継続されてきた。万年環境保全会への展開を機に年次計画にもとづく組織的活動として活発化し、大がかりな伐木の薪利用、草刈の回数増加、除草剤使用量の減少など内向きの資源・環境保全に着実な取組みがなされている。
 ここでは極めて内向きの地域空間での日常的活動・生活環境の均衡的持続的整備をもって情趣とでもいうべき地域の充実が進んでいる。それらの成果の外部展開を図るときには、また新しい農村地域の景観のあり方を示してくれるであろう。

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「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会