人の交流部門 銀賞
赤井川村農業元気グループTogether(赤井川村)
カルデラ盆地の美しい形状で有名な赤井川村。「日本の最も美しい村連合」にも加盟している。しかし当初住民は、村の美しさへの自覚は薄く、この『加盟』には戸惑いすら感じていたという。
高齢化や地域農業の担い手不足など、北海道の農村の抱える課題は、この地域でも例外ではない。そのような中で、農業後継者として村に戻った青年8名が、自分の生まれ育った村の水田が荒れていることに心を痛め、まずは緑肥を兼ねた「ひまわり」を植え始めた。この小さいけれども第1歩の取り組みが、「フォトコンテスト」、「とうきびまつり」など、人を呼び込む一連の行動を誘発した。
こうした中、自分たちのふるさとである郷土を、以前と同様に美しくし維持していこうという意識が次第に住民にも育まれるようになり、それが行動力となり、やがて地域を広く結んでいった。グループの活動資金は、皆で育てた「とうきび」の売り上げでまかなうが、活動の質の向上を目指した研修で「高知県馬路村」を訪ね、おもてなしの心を学んだ。そして地域の資源と人材を地域で十分に生かしあうことを目指して、異業種交流も活発化させた。
村として支援制度が整っているために新規就農者が多いこの地では、地域内での情報交換がどうしても欠かせない。かつて存在した農協青年部などの活動組織が弱体化して、地域内外のコミュニケーションが希薄になっていく地域が北海道には多い中で、行政や異業種をも交える新しいコミュニティ作りのモデルとなる取り組みとして、本グループの活動は高く評価される。
グループとしての取り組みとしては、まだ4年と年月は浅いが、「この地の自慢は、地域を愛する村人の美しい心」という言葉から、肩の力を抜いた笑顔の青年たちの熱い想いが伝わってくる。
後継者や新規就農者が増えつつあるこの地域の中で、気軽に声をかけあい、楽しく情報交換できる場を作り上げていくことこそが、より美しい村、持続できる村づくりのための知恵と力につながることになる、と確信させてくれるグループである。
「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会
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