選考理由


地域特産物部門 特別賞
まっかりまんま(真狩村農産物加工研究会)(真狩村)

 ゆりねは真狩村が生産量日本一を誇る地域の主要農産物であり、そのゆりね生産全体の2〜3割を占める規格外品を活用して、「もったいない」、「手作り」、「無添加」にこだわった加工品の商品化を試みているものである。
 平成15年に農産物加工研究所を設立し、創意工夫による加工や料理法の研究をメインとした活動を始めた。平成19年には、ゆりね100%のスイートコロッケのレシピを完成させ、道主催コロッケ博覧会にてグランプリを獲得している。同年に村内そば店の営業時間外の厨房を借りて製造販売許可を取得、ゆりねのスイートコロッケの発売にこぎつけている。平成20年の洞爺湖サミットにおいては、参加した各国首脳の夫人らにも地元産食品として試食に供され、好評を博した実績をもつ。
 ゆりねのスイートコロッケは、規格外ゆりねを100%使用しているので、花弁を洗ったり、キズや汚れなどの部分を除去する作業から製品を作り上げるまで、すべて手作業で時間も労力もかなりかけており、実に丁寧な手作りとなっている。形も丸くてかわいいコロッケで味もしっかりしており、製品として完成度が高いことを評価したい。さらに、おやつ感覚で食することも可能であり、惣菜という枠だけで考えないで、今後の開発においてはスイーツで売ることも考えていくことが鍵となりそうである。
 手づくり故地域限定の域を超えないものであるが、量産体制をとってのビジネスとして目指すのかどうかについては研究会も模索中である。本来「ゆりね」という食材は高級感がもたれるものであり、それ自体でブランド性をもっているので、生産拡大の経済効果は高いと思われる。作り手のこだわりは貴重であるが、このまま小規模体制で続けていくだけではもったいない。現状では少人数で奮闘しているという印象は免れないが、行政、商工会、異業種などの支援や応援を積極的に求めて、販路拡大を図っていくことも考えていってほしい。さらなるステップアップを期待したい。

                                            団体紹介のページへ   第5回コンクールのトップページへ
「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会