選考理由


景観部門 特別賞
いにしえ街道華の会(江差町)

 北海道で古い歴史のある街-江差-古くから北海道への導入口、奧の大きな北海道全部を抱えたような内玄関とでもいうべき街である。江差を語らずして北海道の歴史は語れない。
 その栄光の時代の面影を復活させるべく1.1kmにわたりその歴史的街並-問屋、蔵、商家、町屋、社寺などの歴史的建造物や、史跡、旧跡を残しての修景により憩いの場として再現させた。平成元年から16年かけての事業であった。幅員10m、電柱の埋設、支障物の移設、新築、改築により街路側の外観の統一がなされた。それは見事な大事業であり景観であったであろう。観光客もその見事さに感服したであろう。ただ生活者としては美しさとしての幽玄、粋とでもいうか、おもかげ、なごり、なつかしなどのようなものを感じさせてくれる猥雑性に不足を感じたのではないか。ゆるやかさとでも言うべき、他のものの存在を許す多様性は自然しかないであろう。
 地域の人達は平成18年に「華の会」を設立した。活動資金はこの街の住民でない人も含み、会員の会費、町内会補助金、賛助会費、寄付金によっているという。とにかく1.1kmにであるから容易ではないが、植物・花が樽プランタ・ハンキングバスケットの設置を主として街道の両側に並べられることになった。街道に生き物感が戻って来た。メンバーはこよなく花を愛し街道を愛し、友との交わりをよろこび、いにしえ街道の空間に情趣をそえる活動で人生を楽しんでいるようである。

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「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会