景観部門 特別賞
たきかわナタネ生産組合(滝川市、赤平市)
滝川市を主として赤平市にかけてナタネの栽培が始まったのは平成6年(1994)である。輪作作物として取り入れられ当初の栽培面積3.9haは平成22年(2010)には約50倍の全国一の185haに達している。これはナタネが地域特産物として認知されてくるとともに、その景観的特性が農家の栽培意欲を刺激したこともあるのだろう。とかく単調になりがちの北海道の5?6月に、太陽を照り返すように輝く黄金色のナタネの花の絨緞は長く続いた寒い冬の憂鬱さや、春先からの冷たい風が吹き飛んでいくことを保証してくれるようなのである。生産兼景観作物なのである。そのナタネは輪作栽培で、毎年栽培圃場が移動するため馴染みがありながらも目先の変わった景観として見る者に年々新しく楽しませてくれる。またきれいに咲きそろうナタネの花畑の向こうの麦畑の畦間にチョンチョンと句読点のように黄金色があるのも残留種かとほほえましくなる。さすがにそのむこうの麦畑には、この句読点はなくなっている。農業生産に励む農村の姿、それが農地農村の景観である。
ただ最近はナタネの栽培が風前のともしびの諸情勢かとも危惧されている。食料・資源を産出し国土を持続維持する農業が継続されていることを願うものである。
「わが村は美しく―北海道」運動 第5回コンクール表彰審査委員会
|