下川町では、町を支えていた銅山が1983年に全面休山となりました。さらにJR名寄線の廃止などでどんどん過疎化が進み、人口は最盛期の3分の1にまで減りました。そのような状況を変えていこうと観光資源づくりに取り組み、町の人々が「町民の手で元気な町を取り戻そう」と始めたのが、農用地開発事業の際に、多量に排出された石を有効利用した「万里長城」づくりです。
多くの町民が参加し、ひとつずつ積み上げる「万里長城」
1986年から、毎月第3日曜日を「町民石積みの日」と定めて、万里長城築城計画を実行に移していきました。石積みには、昔懐かしい「もっこ」を用意して、ひとつずつ石を積み上げ、町民の手で築城していきました。機械を使用すれば、難なく築城できたものの、あくまでも手づくりにこだわり「手づくりの観光日本一」をめざし、15年の月日をかけて、当初の目標であった2000メートルの長城ができあがりました。
手づくりにこだわり、運搬も「もっこ」を使って行った
「万里長城」
町を一望できる桜ヶ丘公園に、公園をぐるっと囲うかたちで、高さ・幅それぞれ3メートルの万里長城があります。1989年からは石に名前を残そうという取り組みもはじまり、道内外、海外からも多くの観光客が訪れるようになって、築城に使われた15万個以上の石には約12万5千人以上の名前が刻まれています。多くの人々が力を合わせてつくった、手づくりの観光資源となりました。
●データ
代表者:谷 一之さん/設立:1977年/会員:121名
所在地:上川郡下川町共栄町6番地
電話:01655-4-2511/FAX:01655-4-2517
E-mail:
kankou@shimokawa.ne.jp
●リンク
・下川町
http://www.town.shimokawa.hokkaido.jp/