エゾシカの食害は農林業を合わせて年間数十億円にものぼり、また、エゾシカとの交通事故が近年多発していたことから、その状況を打破するために「株式会社知床エゾシカファーム」を立ち上げ、シカの駆除・有効活用（食用肉、革製品等の生産）の事業を開始しました。
　活動は、農林業被害や交通事故の防止のみならず、自然保護や新たな雇用の場の創設など、幅広く住民生活に寄与しています。特に、斜里町は世界自然遺産に指定されている区域を含み、知床地域ならではの発想で、新たな狩猟技術の開発にも力を入れており、知床の生態系の保全に貢献しています。また、24年度にはオホーツク財団が加工食品の安全性・食味などを総合的に審査し優れた食品を認定する「オホーツクブランド」に、エゾ鹿肉スパイシー焼肉などが新たに認証されました。このほか、安全面では北海道ＨＡＣＣＰの交付を受け、経営面では農水省の６次産業化法に基づく総合化事業計画の認定を受けています。　
　このように、エゾシカ対策という地域の課題解決に向けた取り組みを行い、様々な波及効果を地元にもたらしています。