積丹ブルーで有名な美国の海は深刻な磯焼けの問題を抱えており、その原因の一つにキタムラサキウニの異常繁殖による海藻の食害が考えられています。海洋環境の変化や漁業者の減少、高齢化等から地元漁場者だけでは藻場保全活動を行っていくことが難しくなってきている中で、地域外から訪れるレジャーダイバーの中にいる海洋環境に高い関心を有し潜水を楽しめる美しい環境を求めているダイバーと、労働力が不足する漁業者との美しい海づくりへの思いが合致しました。
「全国でもめずらしい漁業者とレジャーダイバーの連携で海藻食害ウニの除去活動」
磯焼けの持続要因であるウニの食害を軽減するために、ボランティア参加によるレジャーダイバーのウニ除去に必要な特別採捕許可を得て、漁業者とダイバーの協働によるウニの除去と移植、海中への栄養塩類の供給、母藻の設置を効率的に行っています。実施海域では、海藻類の繁茂や藻場に集まる魚が確認されるなど、活動の成果が目に見えるものとなっています。
また、観光客向けのウニむきツアーの実施、子供を対象としたシュノーケリング体験の開催、地元小学生を対象にウニを題材にした授業プログラム、森・川・海の繋がりとしての植林活動など、観光業との連携や後継世代に向けた地域振興にも取り組んでいます。
従来はともすれば「ダイバー=密漁」のイメージで敵対しがちな関係にあった漁業者とダイバーが、双方の宝とすべき海の保全活動で気持ちがひとつになり、協力関係を構築できたことは全国的にも珍しい取組です。海の資源を保全するこの活動があることにより、密漁など海面利用のトラブルを抑止する効果も発揮されています。地域資源の魅力を、地元住民だけではなく、地域内外の多数のボランティアダイバーとともに支えることにより、漁村と都市の交流が生まれ、美しい海洋環境が育まれています。
■代表者: | 神 哲治さん/設立:2008年/会員:63名 |
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■連絡先: | 積丹郡積丹町大字美国町字船澗48番地 |
■電 話: | 0135-44-3382 |
■F A X : | 0135-44-2125 |
■E-mail: | nourin4@town.shakotan.hokkaido.jp |
■H P : | http://sites.google.com/site/kelpcoast/ |