景観部門 銅賞
上斜里フラワーロード推進協議会
この協議会は道道摩周湖〜斜里線の清里町内部分で知床斜里方面からの入口部分にある農家11人によるものである。農村景観づくりの一環として、平成5年より上記道道沿いのそれぞれの農地にコスモスを栽培し、多くの人にコスモス・ロードと呼ばれるまでになった。コスモスの種播きは全員の共同作業であるが、その後の生育管理の作業は共通の時間の確保が困難であることから、各人がそれぞれの地先の部分を農作業との関連などで個々に実施している。このことが、コスモスラインを中断しないようにという配慮などとともに、その管理育成に良い意味の競争意識を発生させたりして、3.5kmにわたりコスモスを夏から霜の降りるまで見事に咲かせるという結果を得ているのであろう。背景として斜里岳を有することなどから、写真撮影なども多くの人によってなされるようになり、駐車帯も設置されさらに多くの外部の人の注目を得るようになるとともに、町内全般の景観意識へも大きな影響を与え、例えば市街地商店街の花飾りも近年著しく盛んになっている。
道道沿線農家の地道な活動が多くの時間は要したが確実に地域に定着してきたということであろう。
一方、道路の法尻の農地部分でのコスモス栽培であるため、花がようやく路面高さに達するという状況にある。この改善のため、現在も道路曲線内側部分の花帯幅を広くするなど工夫もされているようであるが、コスモスの額縁に囲まれた農地・圃場として評価できる日を期待する。現在の道道のみでなく、道道と交差する道路沿いにも花帯があると、視覚的には面的広がりを与えて一層印象的な景観となるであろう。
コスモスは農地・農村の景観のサポーターなのである。さらに美しくと望まれるのは美しきものの宿命である。先ずはこの地域の景観的展開のマイル・ストーンを置くことによってさらなる発展のあることを期待する。
2004年12月
「わが村は美しく―北海道」運動 第2回コンクール表彰審査委員会
|