選考理由


地域特産物部門 金賞
標津町地域HACCP推進委員会

 徹底した衛生管理を全国に先駆けて実行し、商品に対する確かな自信と、こうしたシステムのブランドづくりに誇りをもって取り組んでいることを高く評価し、金賞といたしました。現在、日本の最先端となる衛生管理システムを構築された地域ぐるみの努力に敬意を表します。
 標津町はサケの水揚量日本一の年が多く、平成2年から漁業者、加工業者、輸送業者が連携して商品の衛生管理を行なっていました。しかし、平成10年にイクラのO157感染事件が発生。同様の事態を二度と起こさないため、また市場で喪失した信頼を取り戻すために、漁獲の現場から加工、流通を一体化させたさらなる衛生管理に取り組みはじめました。
 平成11年度に町内HACCP(ハサップ)推進組織設立準備会を立ち上げ、翌年度から本格的に衛生マニュアル(標津町地域HACCPマニュアル)を作成。膨大なマニュアルをすべての作業段階で遂行し、食に対する安心・安全の徹底、それを外部に提示していくことの重要さを再認識し、そのシステムは地域のブランドとして認知されるまでに発展しました。
 地域特産品部門としては、地域HACCPというシステムをほかの応募団体とどう比較すべきか迷う部分もありました。しかし、全国に例のないすばらしい取り組みであることはまちがいなく、産業全体、地域全体の意識改革につながっている点、観光等への波及効果が非常に大きい点なども合わせ、今回の評価といたしました。
 また、推進委員会のみなさんのゆるぎなき自信にあふれている姿に、地域に対する意識の高さを強く感じるとともに、その土台にある地道な努力の積み重ねを思い、大きな感銘を受けました。  今後は、このすばらしいブランドを充分に活用し、新たな特色ある商品づくりをめざしていただければと思います。

2004年12月
「わが村は美しく―北海道」運動 第2回コンクール表彰審査委員会