地域特産物部門 銅賞
新函館農業協同組合女性部江差支部
地元の伝統的な食文化、地域文化を継承する活動であり、機械化が困難で手間のかかる仕事にもかかわらず、その製法や味わいを大切に守っている点などを高く評価し、銅賞といたしました。また、世代を超えた、約半世紀にもわたる活動の歴史とみなさまの志に深く敬意を表します。
「こうれん」は古くから江差地方の農家に伝わる伝統的な保存食で、コメを練って薄く伸ばし、天日で2日ほど乾燥させて作ります。網にのせてこんがり焼くか、油で揚げて食べます。類似のものは近隣の上ノ国町にあるのみで、独自性が高く、まさに地域の特産食品といえるでしょう。昔はうるち米を使っていましたが、現在はもち米に替わり、その他の材料としては砂糖、しょうゆ、塩、ゴマのみで添加物はまったく使用していません。
昭和57年から農協女性部のみなさんが、伝統の食文化を守り、女性部の活動資金を捻出するため商品として製造し、イベント時や町内の道の駅売店で販売しています。販売額は年間約100万円となっています。昔ながらの天日乾燥を行なうため、乾燥に適した夏場3カ月に限定した製造・販売を続けています。
女性部のみなさんの熱意が約50年という活動継続の源であり、地域文化の継承・発展に尽力されていることは本当にすばらしいと感銘を受けました。「スローフード」という言葉が聞かれるようになる、ずっと以前から、まさにその理念を貫いている活動です。今後は、大幅な生産規模拡大、販路拡大などは必要ないことと思いますが、もう一歩の前進をめざして活動を継続されてはと思います。
2004年12月
「わが村は美しく―北海道」運動 第2回コンクール表彰審査委員会
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