選考理由


地域特産物部門 銀賞
郷里の味なかむらえぷろん倶楽部

 郷里の味を大切に守り、伝える活動を長年にわたって続けていることは、まさに「地域の宝」であり、「わが村は美しく−北海道」運動の理念の原点にもつながります。
 地元での人気もさることながら、地元外でも多くのファンを獲得していることは、商品の質の高さを示しているといえるでしょう。農作業を行いながら日々努力を重ねるメンバーのみなさんに敬意を表し、銀賞といたしました。
 美唄市中村地区のとりめしは、明治時代からの歴史をもつ郷土料理です。かつてはどこの農家でも鶏を飼っていて、大事なお客さんを迎えるときなどに、その鶏をつぶして炊込みご飯にしていました。
 昭和57年、JA中村(現在はJAびばい)の女性部のみなさんが、その味を「中村のとりめし」として製造・販売しはじめました。目的は、地元の特産品であるコメに付加価値をつけて販売し、消費者と生産者の交流を図ることです。中村地区はもともと団結力が強く、地域を思う気持ちの強い場所で、その土壌を背景に、とりめしは誕生しました。
 商品化にあたっては、本来各家庭によってちがう味であるものを「えぷろん倶楽部の味」として確立し、食べあきることのないよう工夫を重ねました。開始当初はイベント時や市内のAコープのみでの販売でしたが、その後、近隣のまちへ販路を拡大したほか、地元外のイベントにも積極的に参加しています。
 現地意見交換会のあと、昼食にいただいた、できたてのとりめし、水炊き、自家製の漬物は、どれも大変おいしく心に残るものでした。今回特に評価した点は、20年以上にわたる継続性、広報誌の発行やイベントの参加などで地元のPR活動を実践している点、野菜の直販など他方面への広がりが生まれてきた点などです。
 注文販売時にお釜ごと配達し、できたてを提供する方法など、細やかな心遣いと発想力もすばらしいと思います。  さらに今後は、どのような視点をもって活動を展開していくか、新しい方向性を再検討する時期にあると思われます。

2004年12月
「わが村は美しく―北海道」運動 第2回コンクール表彰審査委員会