NPO法人わが村は美しく-北海道ネットワーク主催のフォーラム『持続可能なまちづくり、むらづくり  スローな未来へ』が平成23年11月3日に約90名参加者により終了致しました。参加頂いた皆様講師の方々に感謝申し上げます。
当フォーラムの状況を報告致します。

|1|2|3|4|

次へ

平成23度 「わが村は美しく-北海道」ネットワークフォーラム開催結果報告

持続可能なまちづくり、むらづくり
     スローな未来へ

・基調講演 スローな未来へ




NPO法人わが村は美しく-北海道ネットワークは、北海道の農山漁村の資源を活用し魅力あふれる活力のある地域を築くために講演会による普及啓発活動を行っています。
今年度は この活動の一環として、わが村は美しく-北海道ネットワーク・フォーラムとして、農山漁村地域における持続可能なまちづくり・むらづくりをどう進めていくかを広く一般の方々と一緒に考える機会として開催しました。

【開催概要】
  日  時:平成23年11月3日(木、文化の日)
  場  所:かでる2・7(北海道立道民活動センター)1060会議室
  参加人数:約90名
  主  催:わが村は美しく-北海道ネットワーク
  共  催:北海道開発局、北海道

【フォーラムプログラム】
  開会挨拶      中井 和子(わが村は美しく-北海道ネットワーク理事長)
  基調講演      島村 菜津(作家・日本のスローフードの先駆け)
            講演テーマ:スローな未来へ
  未来のまちづくりに向けて各団体からのアピール
   ①社団法人シーニックバイウェイ支援センター  広報部長 かとうけいこ氏
   ②NPO法人「日本で最も美しい村」連合    理  事 杉 一宏氏
   ③NPO法人「ガーデンアイランド北海道」   事務局長 有山 忠男氏
   ④エコ・ネットワーク             代  表 小川 巌氏
   ⑤オホーツク・テロワール           代  表 大黒 宏氏

  パネルディスカッション
   パネリスト
   ・社団法人シーニックバイウェイ支援センター  広報部長 かとうけいこ氏
   ・NPO法人「日本で最も美しい村」連合    理  事 杉 一宏氏
   ・NPO法人「ガーデンアイランド北海道」   事務局長 有山 忠男氏
   ・エコ・ネットワーク             代  表 小川 巌氏
   ・オホーツク・テロワール           代  表 大黒 宏氏
   アドバイザー   島村 菜津(作家)
   コーディネーター 中井 和子(わが村は美しく-北海道ネットワーク理事長)


【基調講演】 テーマ:「スローな未来へ」
       14:05~15:05
       講師:島村 菜津 氏(作家、日本のスローフードの先駆け)
 (要 旨)
 長期化する就職氷河期に原発問題と、若者たちに申し訳ないような現状の中、さらに日本を覆う閉塞感のひとつに、生活空間の均一化ということがあるように思う。
 目下、わが家から最も近い小売店は、バス停二つ先のコンビニで、それは福岡の実家でも同じだ。足腰の弱った母親が頼りにしていた地元スーパーもこの春、潰れた。スローな社会の実現が議論されて久しいというのに、周囲には、巨大なショッピングセンターやシネコン、画一的な住宅街、駅前のチェーン店・・・そんな全国同じような風景が増殖している。さらに戦後、第一次産業を犠牲にし、自動車産業に経済を委ねてきた日本では、都市ばかりか地方でも、車での移動を前提とした街づくりが主流だ。
 しかし、一端、歩いて暮らすという視点で眺め直した時、こうした日本の空間は、どこか息苦しく、殺風景だ。ましてや、目もかすみ、足腰も弱り、車の運転もままならなくなった高齢者や車椅子での移動を余儀なくされた者には、苦痛と危険に満ちた空間である。
 そんな90年代末、スローフード運動が、改めてローカリズムという原点に回帰したのが、イタリアにおけるスローシティ連合の誕生であったと、私は考えている。日々の食卓、愛する地元、食を介してつながる友、そうした現場を持たないスローフード運動は虚ろだ。グレーヴェ・イン・キアンティの元町長、パオロ・サトゥルニーニの提案から生まれたスローシティ連合は、暮らしやすい地元づくりという小さな世界からのスローフード運動を呼びかけた。人間サイズの人間らしいリズムが残る街を守ろうというのだ。現在、イタリアに53、世界に104の街が連合。韓国にも、すでに6つのスローシティがある。彼らが守り、育てたのは、まず、地元の小さな農家や漁師であり、地産地消の店であり、失われた市の復活であり、有機農業に参入する移住者の支援であり、食がつなぐ人と人の新たな関係づくりといったものだった。そして、大型ショッピング・コンプレックスより、小ぶりな地元のスーパー、大手のシネコンよりユニークな映画祭を支援した。
 日本と同じように車好きのお国柄ながら、こうして、彼らは歩いて日常の買い物ができる、ほどよい大きさの暮らしの場を死守している。しかも、このガイド本にも載らない小さな田舎町の復活は、70~80年、過疎化、第一次産業の決定的担い手不足という危機的状況の中で起こったのである。
 日本だけでない。世界中の街の様相と食生活を均一化していくグローバル化の負の側面に、私たちは抗えるだろうか。次世代に希望をもたらす街づくりは可能か。かつてない災害、福島第一原発という課題、さらにTPP問題が頭をもたげる中、改めて大地や海とのつながりを取り戻す、今が最後のチャンスではないか。今こそ、国内の生産者との関係を見つめ直すスローフードの原点に帰ろう。地方には、過疎化、高齢化、限界集落とネガティブな言葉が飛び交い、被災地には、コンクリートだらけの安全だが武骨な都市計画が押し付けられようとしている今、スローシティのふんばりに、私たちは多くの示唆をみるのである。

【未来のまちづくりに向けて各団体からのアピール】 15:10~16:10
①社団法人シーニックバイウェイ支援センター  広報部長 かとうけいこ氏
 (要旨)
 未来のまちづくりについての活動報告
◎「シーニックカフェちゅうるい」「シーニックカフェ十勝が丘展望台」の取組み紹介
  キーワードは
  その土地に暮らす自分たちが義務感ではなく思いっきり楽しむこと、
  自分たちが土地のことを学び来訪者に伝えること、
  そして、普段どおりのおもてなしを
  「今だけここだけあなただけ」
◎麦チェンツーリズム 北海道の小麦生産現場である畑や、製粉工場などの製造現場、レ
 ストラン、パン店等の食の提供現場で、消費者と作り手が交流する場としてのツーリズ
 ム
  キーワードは
  同じテーマに興味を持つ人たちは、すでにコミュニティを形成している仲間である
  いいものは、他の誰かに伝えたい
  熱い思いを持つ人に会って話を聞きたい
  理解してくれる消費者と出会うと、生産者もパワーをもらえる


②NPO法人「日本で最も美しい村」連合    理事 杉 一宏氏
 (要旨)
 ~最も美しい村の未来ビジョン~
◎「日本で最も美しい村」連合加盟 44町村・地域
◎最も美しい村の未来ビジョン
 ・持続可能地域コミュニティの構築
 ・地域内雇用創出型経済の構築
◎地域力・集客力・商品力の先進事例
 ・地域力:若者パワーと地域で育てる未来の子ども達
      事例紹介「北海道赤井川村農業元気「together」グループの若者パワー」
 ・集客力:食と人の魅力とデザイン力
 ・商品力:地場素材と都会センス
      事例紹介「北海道鶴居村のナチュラルチーズ」


③NPO法人「ガーデンアイランド北海道」   事務局長 有山 忠男氏
 (要旨)
 未来に向けて、ガーデンアイランド北海道が目指していること
◎日本人の自然に対する感性、技の掘り起こし
 華道などに見るように、古来より日本人には自然を生活に取り込む優れた感性と技を有していた。しかし、現代社会の中でそれらは次第に失われつつある。そのため、花や緑の知識や経験を深めることで、あらためて日本人の感性や技を磨き、優れた人材の育成、感受性豊かな子供たちを育てる。
◎北海道のガーデン文化の育成
 北海道ではガーデニングが盛んであり、北海道人の一つのライフスタイルともなっている。また、それを公開するオープンガーデンも定着しつつある。様々な技術情報などを提供し、そうした北海道のガーデン文化を育てていく。
◎花と緑のまちづくり支援
 全道各地域における公共空間の緑化活動団体等と連携して、美しいまちづくりの支援を行う。また、そうした地域とのネットワークを強化して、活動の輪を広げる。
◎美しい自然や街を生かした北海道らしいツーリズムの実現
 自然が豊かで美しい北海道を特に花やガーデンという分野から内外にPRすることで、北海道の観光の推進に貢献する。
◎これらを通じて北海道の人たちの自信と誇り、事業意欲の高容
 これらの取組みにより、自然をテーマにした新たな北海道の可能性を見出し、北海道の人たちに未来のまちづくりに対する自信と誇りを持ってもらう。


④エコ・ネットワーク             代表 小川 巌氏
 (要旨)
◎フットパスは究極のスローなのだ
 ・歩く習慣が希薄だった北海道でフットパスを作り、歩く動きが活発化してきた。
 ・この10年間で40以上の地域(市町村)に100コース以上のフットパスが設けられるま
  でになった。
 ・車だと30分で通過してしまう距離を1~2日かけて歩くのだから、まさに究極のス
  ローと言える。
 ・歩くことで車に乗っていては決して気付かないことが見えてくる。
 ・つまりは滞在時間の大幅な延長が図られる訳である。
 ・それによって、その土地の文化、歴史、自然、農業などと無理なく触れ合えるように
  なる。
 ・特に北海道では、フットパス農-食とが無理なく結びつく。
 ・スローの双壁とも言えるフットパスと農=食の実例をいくつか紹介して、その可能性
  を探る

⑤オホーツク・テロワール           代表 大黒 宏氏
 (要旨)
◎テロワールの出来た背景と目指すもの
 物事を中央から考えない。私たちは個から地方(地域)を考え地方から日本を世界を考える。農村から都市を考える。
 例えば、「農村、農業の役割は食糧供給にある」とか「農村(業)を土地や緑の環境の供給源として考える」という発想をとらない。農業の役割を外から勝手に押しつけているからに他ならないからである。
 中央にいようと、地方にいようと我はわれ。自分が生まれて気がついたらそこに住んでいた。その地域で自立した生活の体系を築き、引き継ぎ、豊かに高めていく。そんな活動をオホーツクテロワールは目指している。

【パネルディスカッション】 16:15~17:00

パネルディスカッションの様子